強いショックを受けて一晩で白髪になった…という漫画や小説を読んだ人は多いかと思います。
これは、現実では起こり得ることなのでしょうか?
一晩で白髪になった有名な話
一夜で白髪に、というエピソードはマリー・アントワネットのものが有名です。
フランス革命で処刑を宣告された時、ショックのあまり一夜にして髪が真っ白になったという逸話が残されています。
しかしこれも、白髪のメカニズムを考えるとあり得ない話です。
前述したように、髪の色は頭皮から顔を出す前に決定されています。つまりすでに生えている髪が、途中から白く変わることは基本的にありません。
ただしマリー・アントワネットの場合、宣告から処刑までに約2ヶ月の期間があったようですので、この間に白髪が増えた可能性は考えられます。
それでもブロンドだった髪が真っ白になるのは無理があるでしょう。
それよりも、処刑の前に髪を短く切られてしまったために白髪が目立ってしまった、というほうが事実に近いと思われます。
また処刑当日に白い帽子をかぶせられたことも記録に残っていますので、そのイメージが白髪につながったのかもしれませんね。
また、古くからだと唐代の詩人・李白が「白髪三千丈」という詩で、愁いを募らせて白髪が三千丈(約9キロ)伸びた、という句を残しています。
しかし、これらは心理的な描写を大げさにしているだけで、実際には1日で髪が真っ白になってしまうことはありません。
一時的に髪の色が薄く見えることはある毛皮質の内部には芯=髄(メデュラ)というものがあり、その中には気泡が含まれています。
一時的に強いストレスを受けると、毛細血管の中の血液の流れが悪くなり、そのせいで髪の毛の中まで栄養がいきわたらなくなってしまいます。
その結果、髪の中の空気量が増え、そこに光が乱反射して色が薄く見えてしまうのです。
しかし、こうしたストレス性のものは一過性のものなので「ずっと髪が白いまま!」ということはありえません。時間がたてば、ちゃんと黒い髪の毛が生えてきます。
現実的にはあり得ないことのようです。
しかしドラマや漫画の世界では一晩で髪の毛が真っ白になる描写があります。
花子とアン
仲間由紀恵さん演じる蓮様の髪が真っ白になった
北斗の拳
漫画「北斗の拳」の登場人物。
治療の辛さで白髪になる。
レイ
最後に一晩ではありませんが、仕事で強いストレスを感じているのか短期間に白髪が増えてしまった人がいます。
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2006年12月、35歳の頃、それまで使用していた白髪染めを中止。理由は美容師から髪の傷みを指摘されたことと、「自然体でいこう」と決めたため。以降、短期間で急に白髪が増えたように見えたことが、視聴者に驚きをもって受け止められ、インターネット上で話題になったり、週刊誌に取り上げられたりした。
本人は白髪について、和歌山局在籍中の1998年7月(27歳時)に起こった和歌山毒物カレー事件の取材を担当し、非常に多忙でストレスも感じていたところ、自分でも驚くほど増えていったと述べている。
白髪染めを使用しなかっただけのようです。
まとめ
既に伸びている髪の色が、普通そんな短時間で変わることは現実にはありません。
髪が一日に伸びるのは0.3~0.5ミリメートルであり、白くなった髪が皮膚の表面に現われるまでには日数がかかるからです。
もし一晩で白髪になって人がいましたら、ご連絡くださいw
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