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喫煙

喫煙に関する研究結果資料まとめ

投稿日:2015年9月11日 更新日:

喫煙に関わる様々な記事をまとめてみました。

喫煙欲求を自己制御する脳の部位を特定するらしい

引用元 理化学研究所

理化学研究所(野依良治理事長)は、タバコを吸いたいという欲求(喫煙欲求)が大脳の前頭前野腹内側部(眼窩前頭皮質)の活動により形成されており、さらに前頭前野の背外側面(背外側前頭前野)が喫煙に関わる状況に応じて喫煙欲求を促進していることを、機能的MRI法(fMRI)および経頭蓋磁気刺激法(TMS) の2つの先端技術を組み合わせた手法で明らかにしました。

喫煙欲求は、タバコを連想させる視覚刺激(他人の喫煙シーンなど)に誘発され、その欲求の強さは、その場でタバコが入手可能かどうかなど状況によって変化することが知られています。しかし、このような状況依存性の喫煙欲求の形成が脳のどこでどのように行われるのかは詳しく分かっていませんでした。

共同研究グループは、10人の喫煙者を対象として実験的に喫煙可・不可という状況をつくり、それぞれの状況で視覚刺激により誘導されたときの喫煙欲求に関わる脳の活性化部位をfMRIを用いて観察しました。その結果、喫煙欲求の強さに関わる部位として前頭前野の腹内側部(眼窩前頭皮質)を、喫煙可能状況に応じて喫煙欲求を促進する部位として前頭前野の背外側面(背外側前頭前野)を見いだしました。さらに背外側前頭前野の活動をTMSにより人為的に抑制すると、状況に依存する喫煙欲求の変化が起こらなくなることが分かりました。

これらの発見は、タバコなどの薬物に対する欲求が、前頭前野の腹側と背側の脳神経の連携により形成されていることを示します。この連携のバランスの乱れがタバコや薬物依存症の原因の1つと考えられ、今後、依存症の理解と有効な治療法の開発につながると期待できます。

40歳までに禁煙すればまだ間に合うらしい

引用元 ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」電子版

米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」電子版は24日、40歳前後までに禁煙に成功した人は、喫煙により縮んだ平均余命を、非喫煙者並みに取り戻せるとする米国やカナダの専門家による研究結果を掲載した。

喫煙者の平均余命は、喫煙したことがない人に比べて10年以上短くなるが、34歳以下で禁煙に成功した人は喫煙を続ける人より平均余命が10年長くなり、まったくたばこを吸ったことがない人とほとんど同じ生存確率を示したという。

禁煙に成功した年齢が35~44歳の場合でも喫煙を続ける人より平均余命が9年長くなる。45~54歳の場合でも6年、55~64歳でも4年、平均余命を取り戻せるという。

しかし、肺がんなどのリスクは禁煙後も長期間続くことになるため、分析に当たった専門家は米紙に「40歳までなら吸っても大丈夫」などと安心するべきではないとくぎを刺している。

妊娠中の喫煙で、子だけでなく孫にも喘息のリスクが生じる

引用元 英医学誌「BMC Medicine」

妊娠中の喫煙は胎児にさまざまな影響を与えると報告されており、ぜんそくなどの呼吸器の病気もその一つとされている。ところがこの影響は、胎児だけでなくさらに次の世代まで引き継がれる可能性があることが分かった。米ロサンゼルス生物医学研究所のVirender K. Rehan氏らが英医学誌「BMC Medicine」に発表した論文によると、母ラットが摂取したニコチンによるぜんそくへの影響は胎児ばかりでなく、胎児の将来の子、つまり母ラットの孫にまで同様の影響を与えるという。もちろん、子ラットが親になるまでに一切ニコチンを摂取していなくても。

近年、著しい増加傾向にある小児ぜんそくの原因の一つとして、妊娠中の母親の喫煙が挙げられる。米国人女性の12%は妊娠中も喫煙を続け、その結果、少なくとも年間40万人の新生児が母体内でニコチンにさらされていると考えられている。

さらに、2005年に南カリフォルニアで行われた疫学研究では、母体内でニコチンにさらされた新生児は、出生後から親になるまで一切喫煙歴がなくても、その子供が小児喘息になりやすい傾向があると報告された(「Chest」 2005; 127: 1232-1241)。つまり、妊娠中に喫煙した母親の影響は、その子供ばかりではなく、孫にまで影響を及ぼす可能性が示唆されたのだ。

今回の報告では、子ラットにはニコチンを投与していないにもかかわらず、孫ラットにも同様の症状が有意に生じること、孫ラットの症状も孫ラットを妊娠中の子ラット(孫ラットの母ラット)へのロシグリタゾン投与で抑制できることが示された。

さらにRehan氏らは、ニコチンがぜんそく症状を引き起こすメカニズムを探る目的で、母ラットに投与したニコチンが、子ラットに後天的な遺伝子変異であるエピジェネティック変異を起こすかどうかを調べた。その結果、肺でのDNAメチル化には変化がなかったものの、DNAに結合するタンパク質「ヒストン」を見てみると、ヒストンH3のアセチル化は上昇、ヒストンH4のアセチル化は減少していた。

ニコチンと同時にロシグリタゾンを投与することで、肺におけるヒストンH3のアセチル化上昇のみが抑えられたことから、ニコチンの作用はヒストンH3のアセチル化を介したものであることが示唆された。もちろん、ロシグリタゾンだけの投与では、どのエピジェネティック変異も起きることはなかった。

日本人を60年以上調査したところ喫煙で寿命が10年縮まっていた

たばこを吸うと寿命が8~10年縮まることが、放射線影響研究所(広島市)や英オックスフォード大による調査でわかった。日本人約6万8千人を分析した。未成年でたばこを吸い始め、吸う本数が多い人ほど死亡リスクは高かった。25日付の英医学誌電子版に発表した。

研究チームは、被爆者の健康影響を調べるために放影研が60年以上続けている「寿命調査」の対象者のうち、喫煙の有無が判明している人を分析した。被爆していない人も含まれる。

未成年でたばこを吸い始めた男性(1920~45年生まれ)の72%は70歳まで生きた。一方、同じ年代でたばこを吸わない男性の72%は78歳まで生きた。たばこで寿命が8年縮まったことになる。女性は、寿命が10年縮まっていた。

水タバコは身体によくない

イランのマシュハド医科大学はこのほど、煙を水にくぐらせる「水タバコ」はたばこの煙を深く吸い込む喫煙と同じくらい呼吸器疾患を引き起こすとした研究結果を明らかにした。

中東で何世紀もの歴史がある水タバコは近年、欧米の若者、特に女性の間ではやっている。しかし今回の研究結果は、水タバコはたばこの有害物を取り除くから安全だと主張する擁護者らに科学の面から新たな打撃を与えるものだ。

研究チームは水タバコの喫煙者57人、たばこの煙を深く吸い込む喫煙者30人、通常の喫煙者51人、非喫煙者44人の肺機能を2年続けて3カ月ずつ調査。その結果、呼吸時にゼーゼー音が出る喘鳴が起きたのはそれぞれ23%、30%、21.6%、9.1%、せきが出たのは21%、36.7%、19.6%、6.8%、たんができたのは14%、10%、3.9%、6.8%だった。

研究チームのリーダーは「水タバコが肺機能に与える影響はたばこの煙を深く吸い込む喫煙者に見られるものと似ている。通常の喫煙も、水タバコより影響は少ないものの、十分に呼吸器疾患の原因となる」と指摘した。
2005年の世界保健機関(WHO)の調査によると、水タバコの煙には高濃度の一酸化炭素、発がん物質、ニコチンなどが含まれている。また、たばこの喫煙者は5~7分に8~12回ほど吸い、吸い込む煙の総量は0.5~0.6リットルだが、水ギセルの場合は20~80分間に50~200回吸い、1回当たりの吸い込む煙の量も0.15~1リットルに上る。つまり、水ギセルの喫煙者は吸い始めから吸い終わりまでに、たばこの喫煙者が100本以上を吸うのと同じ量の煙を吸っている可能性があるとされた。

禁煙すると体重が増えるというのが医学的に正しかった

引用元 英国医学会会報「BMJ」

禁煙した後に増える体重はこれまで考えられていたよりもずっと多く、1年で平均5キロ近いとの調査結果が11日、英国医学会会報「BMJ」のウェブサイトに発表された。

英仏の合同チームは米国、欧州、オーストラリア、東アジアで禁煙成功者の体重増加幅を記録した1989年~2011年の調査データを検証した。すると、体重は禁煙開始から3か月以内に急増する傾向が高く、3か月後で平均2.9キロ、1年後には平均4.7キロ増えていた。

禁煙者への一般的なアドバイス冊子では現在、体重の増加幅は「1年で平均2.9キロ」と記されている。また、研究チームによると女性喫煙者が禁煙後に増加しても『許せる』と思う体重は平均2.3キロだという。

先行研究では、ニコチンには食欲抑制効果に加え代謝率を上げる可能性があることが報告されている。

とはいえ、体重増加による健康リスクは喫煙によるリスクよりもはるかに小さいと指摘する専門家グループもいる。喫煙が原因で死亡する人は世界で年間510万人に上るのに対し、肥満が原因の死者数は280万人とされている。

肺がん患者の1割は煙草を一本も吸ったことがない

引用元 英医学誌「ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)」(電子版)

喫煙経験がないにもかかわらず肺がんにかかる場合があるのはなぜか――。この疑問をDNAコードの分析によって解明できる可能性があるとする米研究チームの論文が、英医学誌「ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)」(電子版)に22日、発表した。

一般に肺がんは喫煙者のかかる病気と考えられているが、全世界の肺がん患者の約1割はタバコを1本も吸ったことがないか、生涯に吸う本数が100本程度の非常習喫煙者だ。非喫煙者の肺がん発症率は、特にアジアでは30~40%と非常に高い。また、世界的に見て非喫煙者のがん患者のうち65%が女性となっている。

ミネソタ州メイヨー医科大学(Mayo Clinic College of Medicine)で遺伝子研究に取り組むピン・ヤン(Ping Yang)博士が主導する研究チームは今回、肺がん患者を含む非喫煙者754人の遺伝子を調査し、第13染色体に2つの遺伝的変異が肺がんリスクを60%近く高めることを突き止めた。

これらの遺伝的変異は、細胞増殖の鍵となるタンパク質「グリピカン(GPC)5」のレベルを抑制するとみられている。

もっとも、非喫煙者が肺がんを発症する決定的な要因の解明にはさらなる研究が必要だ。遺伝的脆弱性を持つ人が肺がんを発症する誘因は不明で、受動喫煙や環境汚染物質、ヒ素、ヒトパピローマ・ウイルスなどの可能性が指摘されている。